第3回経営管理論・Ⅰ.リードする 1.リーダーシップとは(2) 3)-③

(アーカイブでご覧の方、投稿日をクリックしてください。本文が出てまいります。また、写真をクリックしますと、拡大します)

IMG_0007_NEW

IMG_0008_NEW

経営管理論プリント秋①

 ケーススタディ事例

「形(かたち)ばかりの社長から本当(ほんとう)の社長になった日」

出所:プログ『takaha47010』 2011.11.14より抜粋

苦難(くなん)の末にオープニングパーティーを成功(せいこう)裏(り)に終えた、1997年7月1日の次の日から、会社の周(まわ)りがなにか変な雰囲気(ふんいき)につつまれ始めた。結果として、これが、全世界を震撼(しんかん)させたバーツの大暴落(だいぼうらく)である。タイに端(たん)を発(はっ)し、またたくまにアジアの新興国(しんこうこく)をなめつくし、それぞれの国に、復興(ふっこう)までにおおくの時間を強(し)いた、あの通貨(つうか)大暴落である。

正直(しょうじき)に言って、私が事の真相(しんそう)に気が付くまでに4~5日かかった。3日後の土日は2日間ともパーティー応援者(おうえんしゃ)の慰労(いろう)ゴルフなんぞをしていたくらいだから。その原因は、私が海外ビジネスの一年生であることと、ミスをした人たちが私を怖(おそ)れて、いいそびれたこと、この2つである。パーティー準備(じゅんび)の超多忙(ちょうたぼう)のなかでも、為替(かわせ)の原則(げんそく)を決め、取得(しゅとく)の基準(きじゅん)も決め、誰(だれ)が何をするかも決めてあったので、ヘッジはかかっていると、はなから信じていた4~5日であった。

ところが、押さえてあるはずのヘッジ、買ってあるはずのドルを買っていなかったことが判明(はんめい)し、すぐ計算(けいさん)させたところ、むこう3ヶ月でほぼ1億円(おくえん)の損失(そんしつ)がみこまれた。1億円!!資本(しほん)金(きん)が3臆円の会社で・・・。ミスの原因はお見合(みあ)い。経理(けいり)は営業(えいぎょう)が最終(さいしゅう)金額(きんがく)を申告(しんこく)してこなかったから、と言い。営業(えいぎょう)はいつまでに出せと言われなかったから、と言い。いくら怒鳴(どな)っても後(あと)の祭(まつ)り、会社としての体(てい)を成していなかった、のが事実(じじつ)。社長と言っても、かたちだけ、これが事実であった。

明(あ)けて7月7日の月曜日、損失(そんしつ)予測(よそく)の全容(ぜんよう)が判明した。損失はひとつの部に集中していた。順番(じゅんばん)に商売を開始する戦略だったからだ。担当の部長は夜も寝られない、という。彼も海外ビジネス一年生なのだ。11時から始まった部長会は延々(えんえん)22時までに及んだ。その間に自分でもびっくりするくらいに冷静(れいせい)に判断(はんだん)と指示(しじ)をしていった。

まず第1に、損失(そんしつ)予測(よそく)と対策(たいさく)について、自分が即刻(そっこく)日本に報告に行くと明言(めいげん)したこと。悪い噂(うわさ)はいくら隠(かく)しても伝わる、しかも尾(お)ひれがついて。自ら事実を報告した方がいいと。次に、本来しなければならなかった為替(かわせ)予約(よやく)を即(そく)すること、これにより、損失予測の精度(せいど)が増(ま)すし、更(さら)なる損失をおさえることができる。案(あん)の定(じょう)その後も、一本調子(いっぽんぢょうし)でバーツは安くなっていった。第3に、誰がいつまでにやるか、細密(さいみつ)の対策書の即刻作成の指示。終了した22時までには、翌日の夜行便(やこうびん)の押さえ、日本の常務(じょうむ)のアポ、為替予約のルールと翌日一番に先物(さきもの)を押さえる段取(だんど)り、更に、細密(さいみつ)な対策書も出来上がっていた。

翌日(よくじつ)8日、パーティーの御礼回(おれいまわ)りを続行(ぞっこう)しながらも、為替の押さえの結果状況確認をし、その結果による損失予測の精査と対策書の訂正(ていせい)の指示。そして、最終版(さいしゅうばん)をもって夜行便に乗る為に会社を出る頃には、全員が「社長、頑張ってくださいね」と見送(みおく)ってくれた。その時あらためて、本当の社長(しゃちょう)に近づいているな、と感(かん)じたものだ。

夜行便(やこうびん)特有のけだるさが残る中、緊張して常務室(じょうむしつ)に入る私(わたし)。一連(いちれん)の報告をし終わった時の常務の第一声、「ふーん、そんなことがあったんだ、いつおこったの、僕(ぼく)がタイから帰(かえ)ってから?」ほとんどハトが豆鉄砲(まめでっぽう)を食(く)った状態の私。松下(まつした)電器(でんき)の常務がこの通貨(つうか)暴落(ぼうらく)を知らないわけがない。常(つね)に前だけ見よという無言(むごん)の激励(げきれい)に胸(むね)が熱(あつ)くなる。すぐさま取って返すジャンボの機上(きじょう)、私のこころも飛(と)んでいた。

経営管理論プリント 秋①ケーススタディレポート

出題・・・「形ばかりの社長から本当の社長になった日」を読(よ)んで、どの時点でどのようなことをきっかけにして、「形ばかりの社長」から「本当の社長」になったのであろうか

学籍番号
氏 名

1.どの時点で「本当の社長」になったのであろうか

2.「本当の社長」になった背景となる理由

理由①

理由②

注意事項!!!

①人のものを写さない=不正をしない訓練 ⇒ まったく同じものがあったら両方ともゼロ!!

インターネットも写さない⇒写したらマイナス3点

②できた人=列を正しく並ぶ訓練 ⇒ 帰る用意をして、ひとりづつ、出席票とレポートを教壇へ

③場合によっては解答例として全員に配られることがあります

バンコク2013.9.13-18 089

takaha47010 について

1971年塾経済学部卒、松下幸之助にあこがれて、松下電器入社。50歳から初めての海外、タイで販売会社の設立、経営にあたる。その後の仕事は留学生の多い大学の教授、非常勤講師、そして今は悠々自適。好きなことはひとに教えること、ひとに学ぶこと。好きな言葉は、生涯の師の「独立自尊」と、人生の師の「成功とは成功するまで続けることである」。
カテゴリー: リードする, 経営管理論 タグ: , , パーマリンク

コメントを残す